2013年12月8日 15:39
あるテレビ番組で、見たことのメモ。
パンの街頭販売での実験、、、
A:300円のパンだけ並べて、販売した場合。
B:300円のパンを並べ、その隣に10万円のパンを置いて、販売した場合。
AとB、どちらが売れるのか?という実験。
結果は、
Aの場合が15個。
Bの場合が40個。
10万円のパンが隣にあるだけで、売れ行きが倍以上になったのです。
これをマーケティング用語で、アンカリング効果と言います。
「アンカー」とは、船のイカリを意味する言葉。
錨をおろした場所が基点となり、そこから動けないことからきています。
つまり、
10万円のパンがあることによって、基準が出来上がり、
300円のパンが安くみえてしまう。。。という心理効果が働いたのです。
ご支援のなかでお伝えしているところの「見せ筋商品」です。
常識的に、売れそうなものばかりでなく、
売れそうにない高級な商品を品揃えすることがあります。
アンカリング効果は、お客様に「基準」を与える心理効果なのです。
通常3万円のワインが、半額以下の1万円。。。と言われると、
「3万円」という数字がアンカーとなり、1万円が安く感じてしまう。
1万円の価値そのものを考えるよりも、お得感が先に立ってしまいます。
料理屋で、
松5000円・竹4000円・梅3000円のコースがあると、
多くのお客様は、真ん中の「竹」コースを選ぶ。
平均単価は、4000円くらいになるでしょう。
もし、4000円と3000円のコースしかなければ、
平均単価は、うまくいったとしても、3500円前後。
売れるか、売れないか、わからなくても
「憧れの商品」を、品揃えのなかに、入れておきましょう!
2013年12月3日 22:09

弘前城の紅葉です。
戦争には向きませんが、治世には向いてそうなお城です。
ある程度、戦乱が収まったころに作られたのでしょう。
平和な時代の香りがします。まるで京都のお寺のよう。
さて、
日本には、歴史による商圏の違いが存在している・・・ということに関連して、
少しだけ、コンサルタントの商圏の見方について、まとめてみました。
商圏とは、「商売の影響力を及ぼせる範囲」のこと。
出店する時や、チラシを配布する時には、
この「商圏」を、慎重に見極めなければなりません。
商圏には「分断要因」がある。。。ということは、ビジネス書には、良く書かれています。
大きな川や海・山、道路、線路など。
しかし、これは、いわゆる「常識的な一般論」。
商圏に「拡大要因」があることは、あまり知られていません。
これは、地図上で見るだけでなく、
実際に現場で実務をしながら、数字で検証を繰り返して、初めて見えてくることです。
たとえば、大きな川があれば、分断されます。
橋のあるところまで行かなければならないからです。
しかしながら、橋のたもとのエリアには、ギュっと、人が集まってきますので、
このスポットは、商圏を広げてくれます。
線路と踏切に関しても同じことが言えます。
海には人が住んでいませんので、当然、分断要因です。
しかし、海沿いに一本しかない道は、商圏の拡大要因なのです。
その地域に住む人は「必ずそこを通らなけれなばならない」ので、
足元の商圏以上に、商圏が広がります。
大きな道路も、分断されます。車が多く、渡るのに時間がかかるからです。
しかしながら、道路沿いには、商圏が広がってゆきます。
道路に沿ってお客様が移動していますので、
住宅地から道一本で来店できる立地は、商圏を広げてくれます。
また、人は、人口の少ない地域から、人口が多い地域へと流れます。
商業施設の面積が大きいエリアに向かっても流れてゆきます。
クリーニング店を使うお客様は「田舎に向かって、くだって買う」という購買行動を起こしにくいのです。
専門性の高い商品を扱ったり、品揃えが充実していたり、
店の規模が大きければ、商圏が拡大します。
「あー、またあの無愛想な店員が待っているのかな~」
「何でも押し売りしてくる店員がいるぞ・・・」
これ、商圏の「心理的」分断要因。
「今日は、笑顔の素敵なあのスタッフに会えるかな~」
こちらは、商圏の拡大要因ですね。
2013年12月1日 8:12

週末は、青森にて、有志グループによる勉強会に、
ゲスト講師として招かれました。
定期的に呼んでいただける勉強会なので
「中西さんに教えてもらったことを、実行したら、売上が上がってます!」
メンバーさんから、こんなことを言われると、とてもうれしい気持ちになります。
勉強会は、朝からスタートして、みっちり6時間。
そして夕方4時に終了。
バスの出発まで、時間があったので、弘前城へ。。。
城マニアの後輩が「ナンバーワン」と評した城です。
本当は、桜が有名なのですが、今日は、紅葉です。
ところで、青森県は、今でも
青森・弘前を中心とした「津軽」と、
八戸を中心とした「南部」で、地域性や、風習がまったく異なります。
ぶっちゃけ「仲があまりよろしくない・・・」といった感。
江戸時代の「藩」の境によって、商圏が異なっている
戦国時代の終わり、津軽地方は、南部氏の配下だった「津軽為信」が、
単独で上洛し、勝手に自分の領地を、豊臣秀吉に認めてもらったに過ぎない・・・と南部の人たちは見ている。
戊辰戦争の際には、奥羽列藩同盟を結んで、新政府軍と戦っていたのに、
津軽藩だけが、早々に降伏。結果、お隣の南部藩が大窮地に立たされた・・・と感じている。
店舗展開をする場合でも、
「青森で上手くいったから、次は県内第二の都市・八戸に出店しよう」とか、逆に
「八戸で上手くいったから、次は県庁所在地・青森に出店しよう」と、簡単にいかない県なのです。
旧南部藩だった八戸は、現在でも、どちらかと言えば、
同じ南部氏の領地だった「岩手県」との関わりが強いのです。
昔は、通行手形。
今で言う「パスポート」がなければ、藩同士を行き来できなかった時代。
「藩」は、まったく別々の「国」なので、言葉も文化も違っていました。
お国柄や、その地域の成り立ちには、
現在のマーケティングにも活かせる要素が、たくさんあるのです。
2013年11月28日 22:25

みなさんのお店では、
クリスマスツリーや、
クリスマス飾りは、できていますか??
だいたい、繁盛しているクリーニング店は、
この時期、センス良く大きく「クリスマス仕様」になります。
繁盛していないクリーニング店は、季節感が、一切ありません。
実は、クリスマス仕様になっていないお店には、
・「お客様志向」が欠如している可能性が高い。
・「お客様からの見られ方・お客様への見せ方」について、無関心もしくは、独りよがりになってしまっている。
・「お客様の望むこと」をしてさしあげる気持ちが少ない。
実はこのような、他のすべての事柄にも通じる根本的な問題をはらんでいるのです。
私が良く使う「個別性は、普遍性である」という原則、そのものなのです。
一個の事象に、その他の全ての底辺にある性質が、現出するのです。
師走の迫ったこの時期、気の利いた業界の店舗なら、
ほとんどの店舗が、クリスマスのデコレーションをしています。
「お客様が喜ぶこと」で「他店がやっていないこと」。
これをライバルよりも、如何に早く見つけて、実行に移し、やり通すか・・・。
これが、繁盛店のマーケティングの基本です。
2013年11月5日 8:33
超豪華な客室列車「ななつ星」の導入や、
鉄道会社らしからぬ、独自の経営手法が話題の「JR九州」。
こちらの写真は、ある九州の駅で見かけたものです。

「●●駅に行くには、どのホームに行けばいいですか?」と、尋ねると、
「2番ホームです。白い色のラインを、たどってください」と、教えてくれるのです。
(たどりながら進んでいくのが、なんとも楽しい!!蘇る童心・・・)
「珍しい車両空間」とか「超豪華」とか、
「異業種への進出・・・」だとか、でっかい話が注目されますが、
コンサルタントは、ニュースは、あくまで、上っ面のニュースとしてしか見ていません。
地道なお金をかけない工夫を、
積み重ねているんだな。。という現場に着目し、本質を見抜くのです。
こうゆう会社は、敵に回すと、厄介です。
お金をドバドバ使い、流行を追う、一見イケテるだけの会社は、敵に回しても、怖くありません。
自分たちは、「敵に回すと、怖い会社」にならなきゃ!
カネを出す前に、アイデアで何とかしよう・・・とする会社に!
何でも「買ってくださーい」というスタッフを減らし、
簡単に「買っていいよ」という幹部を減らし、
お金を出す前に、知恵とアイデアを出し尽くして何とかしよう!!というスタッフを増やすのです。
それが、永続する強い経営、人材育成って、やつじゃないでしょうか。