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大成する社員の特徴/「観察する力」と「やってみる力」

船井総研には、毎年、たくさんの社員が入ってきていました。
伸びる=コンサルタントとして大成する若手社員には、ある特徴があります。
圧倒的激務のなか、
入社1年目の様子を見ていれば、だいたいわかります。

それは、2つ。
1)クライアント先や、新規の問い合わせなどで、かかってくる電話。
 先輩がしている電話の受け答えを、自分の仕事をしながら、じーっと聞き耳を立てている。
2)上司や先輩の言葉や動きを、そっくりモノマネして、遊ぶ。

これをしているスタッフは、コンサルタントとして成功しました。
1)電話の受け答え=コンサルタントの成功イメージを観察する。
2)モノマネ=上手い下手に関わらず「やってみる」という行動力。

一生懸命、言われた仕事をこなす社員、
社内表彰される社員が、伸びるわけではない。という事実を、私は知っている。

成功例の「観察」
やってみる「行動」

「生きる術」を手に入れる方法は、
前回ブログの「裏アイテム」を手に入れる方法と、要素は同じなのです。

他の人が持っているのを見て、=観察力
店員さんに尋ねてゲットする。=行動力
「あれ、僕も欲しい。どうすれば、もらえるんですか?」

「あれ」を探す=良いものを探そうとする意志と観察=「電話の観察」
「どうすれば、もらえますか?」=言ってみる、やってみる行動=「先輩・上司のモノマネ」

もうひとつ、つけくわえるならば・・・
土日も休みナシ。週に1~2日は会社に泊まり込み。帰るのは終電かその1本前。
今で言う「ブラック」な職場。
その極限のなかでも、
夜な夜な、先輩や上司の「モノマネ」で、笑える。笑わせる。
そうゆうところも、大事な要素だったのかもしれません。


払った金額と満足度の関係

「恒産なければ恒心なし」
「貧すれば鈍す」⇒「富すれば鋭す」に関連して、個人の場合。

  
高いものを買ったお客様は、
ニコニコしている。

安くものを買ったはずのお客様が、
文句や不満を言ってくる。

値段を安くすれば、満足度が上がるわけではない。
値段が高いほうが、満足度が上がる傾向にある。

人が関わる販売の仕事を真剣にやっていれば、
当然、気づく原則である。

高くても、満足度の上がる商売を。
上記の本質を、知っているスタッフさんを。
本質を知っているからこそ、恒産なく、貧する。お客様にも、親身に対応できる優しいスタッフを。
味わい深く、育ててゆきましょう。


高いものを買ってニコニコしているお客様ですが・・・
もし自社の商品・サービスに、その価値がないと判断したら、
ニコニコして、別の店に移ります。

高い→ニコニコ。
実は、これが一番、怖いんだよ。甘えちゃダメだよ。ってことも、知っておきましょう。


悪事にも理由、その立場から原因を知り、まず理解する

赤ひげ診療譚、新出去定の言葉のなかで、
書き留めている言葉。。
物語を通して、頻繁に出てくるテーマのものを、ピックアップします。

↓↓
(1)
医療は、貧困と無知との闘いである。

(2)
人生は教訓に満ちている。しかし万人にあてはまる教訓はひとつもない。
殺すな、盗むなという原則でさえ絶対ではないのだ。
卑劣な行為に条件はないが、そうしなければならないときにはやむをえない。
教訓はそっぽを向いてもらうときだ。

(3)
無力な人間に、絶望や苦痛を押し付けるやつには、
絶望や苦痛が、どんなものか味あわせてやらねければならない。
しかし、彼らも人間だということを信じよう。
彼らの罪は、真の能力がないのに権威の座についたことと、
知らなければならないことを知らないところにある。
彼らは最も貧困であり、愚かな者より愚かで無知なのである。

(4)
だが、彼らもまた人間だ。
悲しいかな、かれらも人間であるということを認めてやらねばならない。
おそらく家族もあることだろう。ほかに生きる手段がなければどうするか。
妻子を養いその日のくらしを立てるためには、たとえ非道とわかっていても、
ならい覚えた仕事にとりついているよりしようがない。
↑↑

・・・・
ドストエフスキーの小説『罪と罰』のテーマに通じるものがある。
「悪の中にも、理解すべき動機がある」と。

麻薬の常習者に対して、
「麻薬は法律で禁止だ、身体にも悪い、やめろ」と進言するのではなく、
「麻薬を半分にできないか」と進言し、その視点から方法を考えるイメージである。

このことがわからなければ、
中小企業、事業所のコンサルティング、つまり、
今の4~5番店を、1~2番店にしてゆくことはできない。


赤ひげ診療譚 優れた腕/庶民のための反骨の町医者

新年、あけましておめでとうございます。
本年も、よろしくお願いいたします。

そもそも、ブログのタイトル「赤ひげ」について、
そう言えば、これまで触れていませんでした。

世の中では、「赤ひげ薬局」という精力剤のお店が有名です。
なので、
「会社が絶倫になる!」という意味ですか?とか、
「中西さんが絶倫!」という意味ですか?なんて、聞かれます。

(それもあるかもしれません・笑)

実は、この書籍、作家・山本周五郎さんの小説「赤ひげ診療譚」に
登場する医師・新出去定のニックネームです。

黒澤明監督が、原作をもとに「赤ひげ」というタイトルの映画を制作したことでも、有名です。

優れた腕がありながら、権威にこびることなく、
市井の町医者として、庶民のために反骨の生涯を貫いた医師です。

私は「赤ひげ先生」を経営コンサルタントの理想像として、
心・技・体のうち、体(資本力)は、ともかく、
心と技を大切に生きる中小の会社・事業所の
「業績を上げること」「なりたい姿に近づけること」に、徹底してこだわって、
経営支援を行っています。

本当の名医とは、必要以上の薬を使わず、
必要以上の検査・手術を行わず、
必要以上の診療回数を重ねず、
患者さんへの金銭的・体力的負担を最小限に、健康体にすることのできる人。
との認識を持っています。

コンサルタントも、
その会社の特徴を理解し、体力にあわせて、
クライアントに無理をさせず、
早く「コンサルタントが必要ない状態」となっていただき、
最大の効果をもたらしてこそ、本当の価値があると信じています。

早くクライアントの会社から「自らの存在を消し去ること」、
つまり「クライアントからお金をいただかなくなること」
「クライアント自身で、売上を上げ続けることができるようになること」
それを至上命題として、取り組んでいます。

「そんなことをしたら、御社の売上が下がってしまうんじゃない?」
と、心配してくださるクライアント様もいらっしゃいます。

大丈夫です!
また、互いに成長した姿で、お会いしましょう。
必要とされるところでこそ、価値は生きます。
また
「存在を消し去る」「お金をいただかなくなる」とは、
「クライアント先の可処分の利益を増やすこと」と、ほぼイコールに等しいのです。

自分のお金も大事ですが、
相手に儲けてもらうこと。が、何よりも大事です。

年始にあたり初心に回帰することも踏まえて、書き留め、ご紹介しました。


2024年・レクイエム③桂ざこば師匠~人情噺、育て親の師匠

上方落語界の暴れん坊・桂ざこばさんのエピソードは、数々あります。

先輩・後輩を問わず、大阪の落語家さんは、
寄席で、本ネタの前に話す「まくら」の中や、創作落語の中にも、
しばしば「ざこば師匠」を、登場させて、笑いをとります。

東京の浅草で言うところの「内海桂子・好江師匠」の扱いと同等です。
その存在自体が、面白いのです。

書き留めておきたい内容を、ひとつご紹介しておきます。
ネットにも出ていたんだけど・・・今、消えているようなので。
(スクリーンショットを撮っていて、良かった。。)

↓↓
今、上方の大人気タレント、噺家としても大師匠の「桂ざこば」が、
まだ「朝丸」と名乗っていた時期、
はじめてホールで独演会を開いたのは、33年前のことだった。

師匠の桂米朝は、
桂朝丸の「はじめての独演会」のパンフレットに、こんな一文を寄せた。

『朝丸と南海電車に乗っていて、
難波に近づき車窓から大阪球場の灯りがちらっと見えると、
朝丸は「今日は暑かったから、ビールがよく売れるやろうと思います」と言った。
朝丸は、家庭の事情で中学からアルバイトをしていた。
こんなあどけない子どもが、
重たいビールを担いで、急な段差のある球場を上り下りしていたかと思うと、
胸が詰まるような思いがした。
その朝丸が、今日、初の独演会を開く。
褒めてやってほしいと思う』

朝丸は、高座に上がるなり、
「パンフレットの文章、読んでくれはりましたか」と客席に言い
「嬉しい」と、男泣きに泣き始めた。
客席も、もらい泣きをし、それから大きな拍手が起こった。
↑↑

大好きな文章です。

読み返すだけで、涙がウルウルする。
のちの人間国宝・米朝と、のちの暴れん坊・ざこば師匠の初期の物語である。

若者スタッフを預かる経営者、幹部の皆さんは、
大なり小なり、彼ら彼女らの背景に、米朝師匠のごとく、思いを馳せて欲しい。

ご冥福をお祈ります





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