経験考・・・時間を重ねただけで「経験ある人」とは言わない
最近、「まだ経験不足なので・・・もっと経験を積んで・・・」なんて、
自分のことを話すスタッフに接すると、心に違和感を感じる。
自分が20代のころ、「中西君は、これから経験を積めば、もっと良くなるね」なんて、
人生の先輩から言われると、心の中で反発していた。
文豪・ゲーテ、曰く「真の知識は、経験あるのみ」。
しかし、経験とは、単に現場で年数を重ねたことを言うのではない。
何十年、その業に携わっても、経験値の浅いスタッフがいる。
3年目でも、経験値の高いスタッフもいる。
圧倒的にレベルが違うことがある。この違い、何からくるのか?
それは、現場で起きることに対して、
1)仮説を立て(この状況を考えれば・・・こうしてみたらいいのかも?)、
2)決断し(よし、こうしてみよう!)、
3)結果を数字で評価し(おー、こんな結果になるのか~)
4)反省し(もっとこうすれば良かったかな?)、
5)次につながるルールを作り(こうゆうときは、こうしよう)。
6)それを実際に試してみる(ドキドキ、ワクワク)
この繰り返しによって、「経験」が積まれ、レベルが上がってゆくのです。
年数や時間が短くても、無限に経験値を高めている人は、こうしています。
これをなくして、単に惰性と過去の延長で、
年数を重ねただけのスタッフを「経験ある人」とは言わない。
「経験」という言葉に関する
説明のつかなかった「違和感」と「反発」の原因は、こんなところにあったようです。
仕事の現場以外にも、経験値を高める方法は、いくつもあります。
自分が消費者となって買い物するとき、
何かを感じようとすれば、経験値は高まります。
自分だけの経験には限りがあるので、
他の人が「経験を結集」して作った商品、売場や、デザイン、音楽、本や映画など、
あらゆる「作品」から学べば、経験が高まるのです。