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新聞の価値、それと平沼赳夫

備忘録として、、
昔、平沼赳夫(ひらぬま たけお)という議員がいました。
今も、ご健在、85歳とのこと。
初代・経済産業大臣で、のちに通産大臣、運輸大臣を歴任。

この政治家は、自民党から干されても、国会に戻ってくる。
党に頼らず、生きている。
私の記憶の中で、最初の議員でした。

しかも、
最近の議員のように裏金で干されたわけでなく、
自分の主義を貫いたから、非公認となった。
さらに、身内の自民党の対立候補まで送り込まれても、勝って戻ってくる。

以下、概略。
小泉純一郎の政権下、
肝いりの「郵政民営化」法案に、自民党にいながら反対票を投じたため、
自民党は非公認の処分を下し、無所属議員となった。
さらに自民党から地元岡山に「刺客候補」を立てられたが、これを破って、当選。

その後、首相を決める指名選挙では、
自分に刺客を放った張本人・小泉純一郎に投票。
が、後日の郵政法案の衆議院再採決では、ただ一人、またも反対票を投じる。

その後、郵政造反組(12人の非公認で当選した議員)の自民党復党に際しては、
自民党執行部との窓口・交渉役となる。
結局、復党の誓約書に、ただ一人署名せず、
他の11人を復党させて、自らの復党は見送った。

その後、たびたび仲間から自民党に戻ることを誘われるも、固辞。

政治理念・主義主張等に関しては、さておき・・・
党に頼らずとも、
非公認でも勝てる。
損得よりも、信念を貫くことができる、その力がある。
長いものに巻かれずとも、活動できる。
そうゆう点に「いやー、大したものだなー」と、感心したものです。
※ちなみに、
平沼も岡山3区(津山市、真庭市、備前市など)相対的な田舎を地盤として、
自民党時代の得票率は、毎回60%以上の圧倒的一番であった。

・・・・
【ネットニュースでなく、新聞で読むほうが良い点・その1】
ある程度までの「1次情報=加工される前の事実や数値」が、
こうして、一覧で見れる点。
政党別、議員別、地域別、年代別の得票数を見ながら、
トレンドと異常値を見つける。
全体を把握して、詳細に分け入ってゆく。
わたしは、文章記事よりも、こうゆうデータのほうに価値があると思っています。
じとーーーっと、見入って、何をしているか?

狙い撃ちで、議席を獲れそうな選挙区を探しています。


成功企業よりも失敗企業の分析を

1990年代・船井総合研究所に、新人として入社した世代ならば、
必ず体験した「知名度」「ブランド力」の無さを痛感する出来事。

大きな企業の社員さんからは、
「船井総研??大阪?
あー、船井電機さんの何か関連の?子会社さん??」

「船井総研の中西と申します、●●社長は・・・」
中小企業さんにアポ電話をかけると、スタッフさんが電話をとる。
「あ、はいはい」
そして、電話の向こうで、
「社長―!フナイ証券さんから、お電話ですーー」
(まだ、バブルの残り香が、漂っていたころ。
 会社で株投資、やってるんだろうなー、この社長・・)

中小企業の奥様が電話をとると、
「あなたーー!フナイ商店さんから電話――」
(あ、はい、まあ、そんなものです・笑)

船井電機・倒産がニュースになりました。

もちろん、船井総研とは関係はありません。偶然、名前が同じだけです。

時代の流れを感じます。
倒産の原因は、きちんと分析の対象にしましょう。
成功企業の分析よりも、失敗企業の分析のほうが大切です。

30年前、知名度のなかった会社のほうが、
今、生き残っています。


民主主義における「友達の少ない」リーダーの未来

近づいてきました、
(幼いころから選挙好き)衆議院議員選挙。

自民が、単独過半数は維持できるか?(ん?難しい??何とかできないのか?)
自民・公明、連立の過半数維持か??(最低でも、それくらいは・・・)

さて、今回、どうなるか?

「物価高で庶民の生活は苦しいのに、政治家は裏金を作ってる!」
攻撃は、とてもしやすいですよね。条件はそろっています。

個人的には、
(アホな裏金政治家のことは、もう放っておいて、ちゃんとした前向きな国策を議論したほうがええやろ)
(いまだに、裏金・裏金・・と言ってる議員は、当選した後、国のために何をするんだろうか?)
と思うのですが・・・。

先立って行われた、
自民党の総裁選挙の結果がこちら。

しかし、なんとも、
石破さんの議員仲間からの人気のなさよ・・
第一回目の投票では、
進次郎が、議員票トップ!
進次郎が総理大臣なら、選挙に勝てる。と、踏んでいる議員が多かったんだろう。

一方、石破さんは、党員からの人気は高い。
講演会に行ったことのある党員さんは、みな、口をそろえて
「石破さんの講演は、面白い!
これまでの、どの自民党の議員よりも、中身が濃くて、聴きごたえがある」と言う。

確かに、石破さんは、街頭演説よりも、
会場に座らせて、じっくり話をして、質問も受けたほうが、強そうである。
見た目も、声のトーンも、話し方も・・・・どうも、そちらに向いてそうである。

逆に、進次郎は、長く話させるとダメ。質問を受けてもダメ。
ただ、数分間の街頭演説には、向いている。

さて。。。
友達や仲間うちで、人望のない人が、リーダーになるとどうなるか?
学校時代のクラスの学級委員や生徒会長を、思い出してほしい。
近しい友達ウケが悪い。
でも、先生ウケ・遠くの生徒ウケが良くて、リーダーになった人。
調子の良い状態が続いて、その間に友達を増やしてゆければ良いけど、
調子が悪くなると、ほんの少しのことで、一気に混乱、凋落する。

議員仲間からの人気が薄い。
一般の議員時代は、味のあった総理大臣。
派閥が解消されなければ、誕生しなかったであろう総理大臣。
じっくり腰を据えて、政治をしてもらいたい。
混乱に陥らなければ良いけど・・・

「やっぱり、派閥が必要だ!」
「派閥がダメなら分裂だ!」
って、ならなければ良いけど・・・
まあ、なるだろうね。

人間だもの。


空疎な言葉の魔術で国が滅ぶ。国も会社も、リーダーは「リアリスト」であれ

昭和の時代。
日本は、太平洋戦争へと進み、敗戦する。
なぜ、そうなったのか?

たとえば、昭和に入るころには、
「ソ連は大変な近代的な軍隊を持っているという」報告を正直に送ると、
それを握りつぶす。その彼を昇進させない。隔離しておく。
もしこれを民衆に知らせる、本に書く。
ということになると一大事である。という判断をしていた。

そのような、
・秘密主義があったから。
・人に弱みを隠し続けたから。
・事実。特に「自分の弱点」を正確に見ようとしないから。

敗戦へとつながった。

政府というものは、大胆で、放胆で、勇気があるべきもの。
隠すというのは、卑怯かつ臆病である。

国民に対して、手の内をさらす。
これしかないんです。お金はこれしかないんです。
我々は、今、こうゆうことしかできないんです。
常に、そうゆう正直な政府であれば、
日本の近代は、あるいは違ったものになったかもしれません。

また、こうも語っています。

内容が貧しいと、オーバーな表現になる。
内実がないと、言葉が激しく、大きくなる。

戦時中の「撃滅せんとす」「轟沈大破」「神鷲の忠烈」など
「空疎な漢語」を使う。

言葉の魔術で国が滅んだ。
国家も戦争も、徹底的なリアリズム=現実主義がなければならない。。

・・・・
現代の経営、経営者も、同じである。
徹底的なリアリストであり、かつロマンチストでなければならない。
今は、空疎な「漢語」は使わない、
が、
空疎な「英語」を使う。(ローンチ、アジェンダ、スキーム、デフォルト、エビデンス・・・笑)
空疎な「コピペ」を使う。(そのうちAI)
これら、要注意。


「練度の高い正直さ」と、自分の劣等感

「坂の上の雲」の作者、司馬遼太郎さんは、
この白髪のおじいさまである。

確か、昨年か一昨年、生誕100年でした。
作品として「昭和」を書くことがなかった司馬さん。
(昭和以降の日本には、自分が書く題材がない。と感じておられたようです)

その「昭和」を語るインタビューの再放送より。

「練度の高い正直さ」について
話しておられたことが、印象に残りました。

言語は正直でないとダメである。

「練度の高い正直さ」は、「バカ正直」とは異なる。
思ったことをすぐ文章や口にする「バカ正直」は、下品で悪徳である。
相手を不快にさせる。

練度=つまり、訓練して身につける正直さである。
それがユーモアにつながる。相手に安堵を与えて、水平な関係性を築く。
魅力的な言葉になる。

たとえば、、
歌舞伎の海外公演に、
随行するえらい人 の開演前の挨拶。。

練度の高い正直さとは、このようなものではないか?

「実は、私は、日本の歌舞伎に、これまで無関心で今まで生きてきてしまいました。
その間に、私の想像をはるかに超え、歌舞伎は世界に出ていってしまいました。
今日は、皆さんと同じように、じっくり観たいと思います。
後ろのほうの席にいます。公演が終わったあと、
どこが面白かったのか、こっそり教えてくださいませ」

こうゆう「正直さ」が必要なのである。

ところが、一般的には、
付け焼刃的な知識(=知ったかぶりのごまかし)で、
歌舞伎の歴史を紹介する。面白くもなんともない。

練度の高い正直さとは、
自分の劣等感を隠さずに、さらけ出すことでもある。
言葉には、そうゆう勇気が必要なのである。





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