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少年の仕事、大人の仕事

クリーニング経営コンサルタント中西正人(新幹線より水田)
クライアント先からの帰りの列車の車窓から見えた、水を張った田んぼと夕焼けの美しい風景。
田園風景がまだまだ残っていた地方都市で、育った私にとっては、ホッとする景色です。

 
歩いて片道30分の通学路には、
田んぼが広がり、ため池があり、用水路が流れていました。

ザリガニがいて、カブトエビがいて、ゲンゴロウがいる。
カメやメダカやフナもいる。
カエルは、アマガエルやトノサマガエルはもちろん、
“ショッカン”と呼ばれていた、巨大な食用ガエル「ウシガエル」も。。
今、考えると、非常識なほど大きなオタマジャクシで・・・・でも、それが標準サイズでした。
ヘビもいる。
種類はシマヘビとアオダイショウが主流なので、噛まれると、痛いが毒はない。

捕まえたり、追いかけたり、攻撃したりしながら、通学する。
あまりヤリスギると、農家のオジサン、オバサンに注意されるし、
寄り道すると、先生にも怒られる。そんなことにも配慮しながら。

夏になると、通学路以外の場所で、
カブトムシ・クワガタ、キリギリスなんかを捕まえる。

どこに行けば、たくさん獲れるか?
どこまで近づいて、どんな方法なら、効率よく獲れるか?
それらを、素手で触る勇気があるか?

「知恵」と「勇気」、「観察力」と「行動力」で、捕獲してくる。
そして、意気揚々と、引き揚げてくる。

生き物を、たくさん獲ってくる子が、一目置かれていた。
「この生き物を獲るのだけは、めちゃめちゃ上手い!」なんて子もいた。

 
メンコやビー玉も、
自分の腕前で、友達から、ふんだくってくるものだった。
親から金を貰って、店で買ってくる友達が「商品の供給源」・・・笑
弱くて、負ければ、遊べない。
あまりにも調子に乗ると、みんなにやられる。

「男の仕事」って、
太古の昔・狩猟時代も、
子供の頃の男の子の「遊び」も、
なんだか、同じですよね。


天下布武の風景

岐阜城・天守より、
濃尾平野を望む・・・。遠く伊勢湾が見え、滋賀の山が見え、そこを超えれば京の都へ。
クリーニング経営コンサルタント中西正人(天下に武を布く)
クリーニング経営コンサルタント中西正人(伊勢湾を望む)
戦国時代、当時。。。
岐阜城を、攻め落とし、我が物として、この風景を見た信長は、何を思っただろうか??

・・・そりゃ、「天下布武~~」って、気になるよな・・・。

もしも、この風景を見なかったら「日本を武で統一する」という、
信長のテーゼは、生まれなかったかもしれない。

元々、この城で、ずっと、この風景を見ていたはずの
斎藤道三も、義龍も、龍興も、「天下を獲る!」とは、思わなかった。
中にいると、わからない。
外部から来た信長には、新鮮に映ったに違いない。

見る人、見る風景によって、
人生が大きく転換する。。

これは、歴史も、経営も、人の一生も、きっと同じだろうな・・・。

そんなことを思います。


「屋」と「家」に関する私的見解・・・洗濯家の夢

サントリーのビール
「醸造家の夢~マスターズドリーム~」
効率や生産性ではなく、ただうまさだけを追い求めた・・・とあります。
クリーニング経営コンサルタント中西正人(洗濯屋から洗濯家へ)
市販のビールの2倍以上の価格。

どうでしょうか?
「洗濯家の夢~クリーナーズドリーム」を、作ってみませんか?

ところで、、、
「なんとか家」と「なんとか屋」には、
ニュアンスに、微妙な違いがありますよね。

わかりやすい例で、言えば・・・「政治家」と「政治屋」
政治家statesman・・政治で、政治の本来の目的を究める人
政治屋politician・・政治で、お金を儲けて商売する人

この場合、「屋」のほうは、少し揶揄して、使われています。

職業をあらわす呼称で、主に「家」が使われているのは、
作家
画家
音楽家
歴史家
小説家
教育家
脚本家
・・・
カッコイイけど(どうやって食ってるんだろ?)というイメージがつきまとう。

対して「屋」が使われているのは、、
花屋
魚屋
酒屋
パン屋
仏壇屋
葬儀屋
・・・
越後屋・笑
・・・若干、悪そうなのである・・・。

完全なる私見ですが、、
「家」とは、専門的に「深く」ひとつの道を究める人。
「屋」とは、大衆向けに「広く」商いの道を究める人。

やっぱり「広く」「深く」、いかなきゃならない・・・と思うのです。

まずは、完璧に「屋」に徹する。
自分や家族が、食べないとね~。カッコ良くても、迷惑かけちゃ駄目ですよね。
でも、ずっと、それだけを追及していると「尊敬」はされない。
どこかの段階で「家」の要素
・・・業そのもの本来の目的に、真摯に取り組む。。ということも必要なのでしょう。

サントリーさんだって、
スタートから「醸造家」じゃないですもんね。
元の社名は「寿屋」と言い、
量産品の赤玉ポートワインを売るワイン屋さんからのスタートです。


日本人とは何か?②「名こそ惜しけれ」

司馬さんは、
日本人を知るうえで「武士」の存在も挙げています。
武士を「人間の芸術品」と呼んでいます。
クリーニング経営コンサルタント中西正人(日本人とは何か)
明治以降、飛躍的なスピードで先進国の仲間入りができた、その理由は
「汚職しなかったこと」
「公の意識が、横溢していたこと」
これを“痛々しいほどに清潔であった”と、表現しています。

このような高い倫理観は「武士」に由来している。

「名こそ、惜しけれ」という精神。
名を汚すようなことはしない。恥ずかしいことはするな。
これが、武士の価値観。

鎌倉時代、武士が初めて政権を獲得しました。
武士とは、貴族による律令制から、地方へ逃げ出して、
自ら農地を開墾した「百姓」が、武装化したもの。

素朴なリアリズムに裏打ちされた「百姓の政権・鎌倉幕府」により
自分の土地を認めてもらった恩義に対する
「名こそ、惜しけれ」の精神。

「名前を汚すような、恥ずかしいことをしてはならない」
「公のために、働く」
これも、日本人が日本人たる所以。

所属する会社や組織であり、
会社を信じて依頼をいただけるお客様であり、
身を置く業界であり、地域であり、
ひいては、日本全体へとつながる
「公」への奉仕と「名こそ惜しけれ」の精神。

司馬さんは、
書籍の中に「今でも、一部の清々しい日本人にみられる・・・」と記しています。
その一部に入っているだろうか。。


日本人とは何か?①「外から取り入れ、アレンジする」

クリーニング経営コンサルタント中西正人(東求堂)
最近「価値観」について、考えています。

そもそも「日本人とは、何者なのか?」ということを、
司馬遼太郎さんの史観から、引用したい。

島国に生まれた日本人は、
「素晴らしいもの」は、他からやってくると信じていた。
古くは大陸から。明治維新以降は西洋から。
外への「好奇心」でもって、それを取り入れてきた。

神道も、仏教も、キリスト教も、受け入れる。それぞれの価値を認める。
「一神教的価値」を持たない民族である。
それは、元々、日本に「八百万(やおよろず)の神」という価値観があったからである。
自然物そのものを信仰し、山にも、岩にも、川にも、草木にも、神が宿るから、全ての神様を立てなければならない。
それによる「無思想」という思想で、
何でも柔軟に取り入れてきた。

外国からの文化を、取り入れるだけでなく、日本独自の形へと工夫を重ねる。
室町時代に代表される「枯山水」は、
外来の庭園文化の池や水を、砂で表現したもの。
住居は、書院造、床の間、障子、襖、畳。茶道も華道も、独自の文化となった。

つまりは、
「良いものを、柔軟に、外から興味と敬意を持って取り入れること」
「さらに良く使えるように、自分なりに工夫してアジャストさせること」
これが、日本人の特質である。





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