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生きてるのは、お前か。俺か?

松田優作の晩年を特集した番組を観ました。

最後の映画となった大作「ブラックレイン」
ガンを知りながら、公表することなく、仕事に差し支える治療は拒んで
その撮影に臨み、映画の公開直後に、亡くなってしまう。

「物を作る」「商品を作る」という行為は、
その物に「生命を移す行為である」とも言える。その典型である。

が、
きっと本人は、いたって前向きで、
撮影が終わってから、ガンの治療をすれば、大丈夫。と思っていたことだろう。
世の中の「感動」には、
当人が当たり前に実行している様を、第三者が勝手に感動する。という側面がある。
でも、それがノンフィクションの醍醐味である。

 
番組のエンディングが、かっこよかった。
「生きてるのは、お前か。俺か?」

死しても、人の心に、ずっと生きる人がある。
会ったことがなくても、生きる人がある。

自分も、かくありたい。
毎日を「精一杯、生きる!」
「生命をクライアント先に移すような仕事をする」と、心に刻む。


作った物、商品は、自分の生命そのものである

命を削って、
人間は、平均80年間、生きる。

80年間、補給をしながら、
生命としてエネルギーを燃焼する。それが終わって死を迎える。

「物を作る」とき、エネルギー。つまり「生命」を注ぐ。

だから、「物を作る」「商品を作る」という行為は、
その物に「生命を移す行為である」とも言える。

生命は、その人の全人格的なもので、
総合的に、統合されたものである。
だから、作った物や、商品は、その人そのものである。

 
昨年末、ブログでご紹介した
「モンブランが美味しいのに、人材不足で、閉店」せざるを得なくなったお店。。
https://cleaning-keiei.com/nakanishi/2022/12/17/
シェフの作った商品が心を動かし、閉店を惜しむ付箋メッセージで、
こんな風になっていました。

私が、あなたが、店舗を閉店したとき、こんな風になるだろうか?

これほどの支持のある店舗でも、
今の時流にあわせることができなければ、市場から退場せざるを得ない。

このメッセージを、ひとつひとつ読むと、
店舗とお客様の関係性が垣間見える。

やはり、
会社とお客様は「商品」を介して、つながっている。
「商品」は、作った「自分そのもの」である。
大切に、大切に、高めよう。

・・・・
で、このメッセージの中の大賞は、これ
(変人なので、全部、読みました!)
↓↓
「必ず戻ってください。年寄りなので、あまり長く待てません」


人生意気に感ず

20代後半のころの話。
資材商さんが集まる総会に、ゲスト講師としてお招きいただいたときのこと。

ある年配の資材商社長が、最近の業界の小売店の経営者に、
こんな「嘆き」を漏らしていた。

「最近の若いモンは“意気に感じる”ということがなくなった」と。

「ワシらが若いときは、誰かの世話になったから、
恩返ししたいから、信用に応えたいから、という気持ちで、損得二の次で、仕事していた」
「資材商が、小売店に対して、支払いを待ってあげたら、その気持ちに応えようと、必死で頑張る小売店ばかりだった」
「ところが、今は、“前回、支払いを待ってくれたから、次も待ってくれるんでしょ。それが当然”という小売店経営者が増えた」
「それどころか、こっちに支払いを残したまま、他の問屋に切り替えるという輩も増えた」
・・・・
以降、そんな「取引切り替え」を受ける列席の同業資材商への
チクチク攻撃(資材商側の商いの道徳にも問題がある・・・的な内容)に発展してゆく・笑
(さすが、老獪な経営者。同業者の集まる総会の場で、それが言いたかったのか!)

が、大事なのは前半「意気に感じる」である。

 
人生意気に感ず
相手の心意気=積極的に何かをしようとする気持ちに応えるべく、
自分が行動すること。

私は、いつも(勝手に)
意気に感じて、仕事している。

会社の内情を全部、包み隠さず、話してくれたことに対して。
人生の悩みを打ち明けてくれたことに対して。
コンサル料金を払うことを、決断してくれたことに対して。
コンサルの提案をそのまま受け入れ、実行してくれたことに対して。

若いころは、
自分を採用・メンバーに入れてくれたことに対して。
自分を信じて、仕事というステージをもらえることに対して。
まだ会社に利益をもたらす稼ぎができていないのに、給料をもらえていることに対して。

基本、その思いだけでやってきている。と言っても、過言ではないし、
私にそうゆう部分があることを、感じてもらえる経営者さんが、
クライアントになってくれているのだと思います

 
海へ、朝日を見に行くと、なんと、先客がいました。
たぶん、地元の爺さん。
夜明け前から体操をしていました。

爺さんに「おはようございます!」と、
不意に声をかけられて、恥ずかしい気持ちになる。

なぜ、先に挨拶できなかったんだろうか?
挨拶することを考えていなかった自分に「ダメだな・・」という嫌悪感。

それにしても、
神々しい姿よ・・・・

朝日が昇る前に、去っていった。

 
また「人生意気に感じる」仕事をいただいたこともあり、
この爺さんと会って、あの資材商の老経営者の言葉を思い出しました。

本年も、よろしくお願いいたします。





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