「青葉賞」と「差し馬・追込馬」と、競馬ファン ~幻のダービー馬に捧げる
このブログで、何年かおきに題材となる
競馬「日本ダービー」の季節となりました。
競馬・三冠レースは、3歳馬限定。
牡馬(オス)にとって一生に1度のチャンス。
三冠レースとは、
1) 4月の「皐月賞」
2) 5月の「ダービー」
3)10月の「菊花賞」の3つ。
「ダービー」は、4月の1冠目・皐月賞に出走してから、
ダービーに向かう、いわゆる「皐月賞組」が、勝つことが多い。
皐月賞に出なかった馬。
つまりは、仕上げや、成績の面で、皐月賞に間に合わなかった馬が、
ダービー出走の権利を得るためのレース、
それが「青葉賞」です。
青葉賞は、ダービーと全く同じ「東京2400m」で、ダービーの約1か月前に行われる。
競馬好きのオヤジたちは、
毎年、この「青葉賞・勝ち馬」に、夢を見る。
★三冠レースの1冠目「皐月賞」に出ることができず
「裏街道」を、遅れて歩んできた馬に、強いヤツがいるんじゃないか!?
↓
★「皐月賞組」との「勝負づけ」が、未だ決まっていない馬である。
未対戦。だから、勝つ可能性がある!
↓
★いやそれどころか「皐月賞」には目もくれず、ダービーを勝つためだけに鍛えられ、
東京2400mに照準を合わせ特化した、凄いヤツかもしれない!!
が、
青葉賞に出走してから、
ダービーを勝った馬は、これまでの長い歴史上0。である。
レオダーバン、シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、
ウインバリアシオン、フェノーメノ。。。
その後、多くのG1を制したことのある
「青葉賞・勝ち」の名馬たちも、ダービーでは、勝てなかった。
それでも、
競馬ファンは、ダービーのとき「青葉賞・勝ち馬」に投票する。
競馬好きは、自分の人生を、馬に重ねあわせる。
ダービーの晴れ舞台に登場する馬たちのなかで
エリート街道で、順調な人生を「皐月賞組」とすれば、
これまでの人生に(不遇とか、日が当たらない。とまでは言わないけど)
満足していない、今、這い上がろうとしているのが「青葉賞の勝ち馬」なのです。
ちなみに、
馬がレースを行うとき、
・最初から先頭に立つ「逃げ馬」
・前のほうの好位につける「先行馬」
・中団より後方につける「差し馬」
・最後方から直線で勝負する「追込馬」
馬の性格や、脚質によって、この4タイプに分かれます。
概して、競馬場に集まるオヤジは、「差し」か「追い込み」が、好きである。
今の人生は、あえて後方待機してるだけ。
今を切りとると、負けているように見えるかもしれないけど、
そのうち、最後の直線で、抜くことができるんだ。
だから、競馬好きオヤジは、「差し馬」「追込馬」を好む。
(が、ほとんどの馬は、見せ場なく、
テレビにすら映らず、沈んだままであることもまた、事実である)
今年のダービーにも「青葉賞・勝ち馬」スキルヴィングが出走。
デビュー以来、計画的に、
東京コースの2000m以上だけを使われ、
青葉賞を含む、東京2400mを2連勝した4戦3勝の「差し馬」。
黒鹿毛の500kg超の雄大な馬体。
二番人気に推されました。
が、残念なことに、
レース中、急性心不全を発症して、死んでしまいました。
もし、無事に走れていたら・・・と、
期待を抱かせたまま、消えた「幻のダービー馬」でした。
おさらい。
今年のダービーの人気と(前走の成績)と、ダービーの着順
1番人気 ソールオリエンス (皐月賞1着) →ダービー 2着
2番人気 スキルヴィング (青葉賞1着) →ダービー17着(ゴール直後に死ぬ)
3番人気 ファントムシーフ (皐月賞3着) →ダービー 8着
4番人気 タスティエーラ (皐月賞2着) →ダービー 1着
そうゆう競馬ファンが、長年のデータに逆らってでも、
いかに「青葉賞・勝ち馬」に期待しているのか??がわかる。
未来予測。
ダービーの3着は、青葉賞で2着だったハーツコンチェルト。
だから、ダービーでも、スキルヴィングが、その前を走っていた「幻」を想像させる。
血統的にも、物語的にも、
ハーツコンチェルトには、3冠目・秋の菊花賞の主役を期待してしまう。